それは、避難者の方々がもっとも欲しておられるのは、地震が起こる前の平穏な生活を取り戻したいということだと、感じるからです。
東京電力への損害賠償請求も、あくまでその手段のひとつに過ぎません。
日本は世界一の地震大国です。
東日本大震災の被災者の皆さんが経験したことは、いつになるかはわかりませんが、いつかはこの京都でも起こるでしょう。
想像してみてください。
ある日突然大地震が起こり、住み慣れたこの京都の街を壊滅させてしまったら。
そして、故郷を離れ、新たな土地に避難せざるを得なくなってしまったら。
その時、己の心に去来する感情がどんなものであるか。
避難先での生活に、どれほどの苦労が生じることか。
そして、その時、わき上がる望郷の念とは。
東日本大震災によって、京都に避難されてきた被災者の方々が経験されたこと。
それは、他人事とは言えません。
今、京都に避難されてきている被災者の方々の生活の再建が果たされないならば、将来、私たちやその親しい人達、あるいは、その子孫が同じような境遇になった時も、同じようなことになってしまうのではないか。
感傷的な錯覚であると言われるかもしれませんが、どうもそんな感じがして仕方ありません。
当弁護団では、被災者の生活再建を目的としています。
避難者の方が、故郷に戻ることができるよう、あるいは、この避難先の京都で新たな生活を築くことができるよう、弁護士として、できることをしていきたいと思います。
最後になりましたが、私、弁護士の古家野彰平(こやの しょうへい)と申します。
弁護団では、生活支援班の班長をしています。
今後とも、よろしくお願いいたします。