弁護士 井土正明
東日本大震災による、大地震、大津波、福島第一原発からの放射性物質の急激な拡散は、私がこれまでに体験したことのない事態です。
多くの方々の人命が失われ、命からがらの避難が行われ、財産上及び精神上の多大の損害が生じました。京都府にも避難されてきた方々が多くいらっしゃいます。皆さんの避難生活は、居住の確保から始まって、職業と収入、日常生活、子の健康と教育、将来の見通しなどに関し、不安と著しい苦労を伴うものです。
関西にいて東北地方と縁故のない私としては、被災者を支援するために何が出来るだろうかと考え、講演などを聞いていました。本年2月9日結成の「東日本大震災による被災者支援京都弁護団」には当初から参加しました。京都府に避難されてきた方々に対し少しでもお役に立ちたいと思っています。
年齢71歳です。スポーツで例えれば、これまでに、フルマラソンを苦しみながらも走り、その後オープン参加のトラック5千メートル走を思いのままに勝手なやり方で走り終え、これからスローダウンで柔軟体操でもしようとしていたところです。大惨事の襲来を知り、このままでおしまいにしてはいけないと考えました。補欠に終わったとしても、今度は3千メートル障害走に挑戦し、ハードルを越え、水濠を飛ぼうと思っています。スピードも馬力もありませんが、コーナーを回るテクニックは多少残っていると信じています。
どうかよろしくお願いします。 (弁護士 井土正明)