弁護士 田辺保雄
こんにちは,弁護団事務局をしている田辺です。
子ども被災者支援法(支援法)は,平成24年6月に成立しました。
支援法は,域避難者の避難する権利を認めたものとして評価されています。
しかし,この法律を具体化するはずの基本方針は,いまだに作成されていません。
そうした状況において平成25年3月15日,唐突に復興庁は支援施策パッケージを公表しました(内容は,こちらです。)。
支援法の成立については,「福島の子供たちを守る法律家ネットワーク」(SAFLAN)が様々な働きかけをしてきましたが,SAFLANの共同代表・河崎健一郎弁護士は,支援施策パッケージに3つの不備があると指摘しています。
一つ目は,支援法の趣旨が踏まえられていない目的の不備。
二つ目は,被災者・避難者の要望が反映されていない内容の不備。
三つ目は,支援法が予定している「被災者・避難者の意見を反映させるための必要な措置」が講じられていない手続の不備。
被災者・避難者が声を上げ続けなければ,国は,こうした不備のまま,その場限りの対応で国民をごまかしてしまうでしょう。
東日本大震災は,膨大な被災者・避難者を生みだしました。その中で,広域避難者は,まさに今,忘れ去られようとしているように見えます。
そもそも,広域避難者は,なぜ,広域避難をしているのでしょうか。
多くの広域避難者は,東電や国の落ち度によって安心して暮らせ,子どもを育てられる環境を奪われたから避難しているのではないでしょうか。
未曾有の天災であるとともに,未曾有の人災である,その本質を忘れないよう,私たち弁護団も取り組んでいきたいと思います。