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ADR申立に際しての団長声明

私たち東日本大震災被災者支援京都弁護団(平成24年2月9日結成。現在37名)は,京都弁護士会のバックアップを受けながら,被災者の法律相談活動に取り組んで参りましたが,本日,6所帯21人の被災者の方からの委任を受けて,東京電力を相手取り原子力損害賠償紛争解決センターに損害賠償の和解仲介の申立を致しました。

 原発事故による避難者は京都に800人おられるとのことですが,いずれも先祖伝来の家・田畑を捨て仕事を捨てて故郷を離れ,慣れない土地で,あるいは慣れない仕事で,あるいは家族ばらばらの生活を余儀なくされて,文字通り筆舌に尽くせない苦しみを味わされております。

一方,東京電力からの賠償は画一的かつ低廉で,全く不十分であり,被災者の生存権を根底から脅かし,深刻な2次被害を与えつつあると言わざるを得ないのが実態です。

東京電力は自らの賠償責任を真っ正面から認め,被災者のすべての損害について誠意をもって完全賠償を果たすべきだと私たちは強く要求します。

そうした考えから,本日,原子力損害賠償紛争解決センター(通称,原発ADR)に和解仲介の申立をしたわけです。ADRもまた被災者・避難者の被害の完全賠償という観点からは十分機能しているとは言いがたく,様々な問題点と限界が指摘されておりますので,決して楽観を許しません。

しかしながら,被災者・避難者の生活再建と人権の確立のために,完全賠償がなされなければならないことはハッキリしていますので,私たち被災者支援京都弁護団は,被災者の方々と力を合わせて一日も早い解決を目指して奮闘する決意です。あわせて今後とも被災者の方々に寄り添ってどんな困りごと相談にも対応していきたいと決意を新たにしています。

そうして,本申立に引き続き第2次,第3次の申立をしていきたいと考えている次第です。

平成24年7月2日

東日本大震災による被災者支援弁護団

団 長  川中 宏

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